新緑のさわやかな季節となりました。
まだ肌寒いと感じられる方が多いようですが、暑がりのイカピーには過ごしやすい季節でございます。
先日の日本伝統の話の続きをいたします。
二つ目は「工芸」の分野から。
今、小さなお子さんが使う食器で「食べ物をこぼしづらい食器」というのが人気になっているのだそうです。
「こぼしづらい」の秘密は食器の内側に、「返し」のふちをつけることで、
スプーンなどに引っかかりやすく、こぼれづらい形状になっているとのこと。
発案はそういう年頃のお子さんをお持ちの女性だそうですが、
焦点はその生産工程です。
特殊な形状で機械生産が不可能。
そこで、発案者の女性は手作りで漆器を作る、伝統工芸の職人さんに制作を依頼したのだそうです。
その職人さんは
「伝統の技で、子供の皿を作ると言う事に抵抗はあった。しかし人に求められている物を作るという充実感がある」
というようなコメントをなさっていました。
こちらの食器は、一つ一つ伝統の技で手作りしているだけあって、なかなかの高額とのこと。
それでも大人気で売り上げ好調なんだとか。
自分が欲しいと思うものを考え、かつそれを作ってくれる人を探す、発案者の行動力。
そして伝統との葛藤を越え、新しい分野に技術を活かす職人さんの心。
どちらも素晴らしく、また新しい可能性だと思います。
私ども温泉旅館も、和の心を大事にしつつ、
新しいことをどんどん取り入れていきたいと思います。